デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 基礎技法編

いつも輪郭線が多くなってしまいます。

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

いつも輪郭線が多くなってしまいます。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

たくさんの線を描き重ねて、形を仕上げていく。これも一つの描き方や個性ですから、一概に悪いわけではありません。しかし、もし手早く、力強い絵を仕上げたいのであれば、10本の迷い線より、1本の決断した線で形を決めたいものです。なぜなら、たくさんの線で正解を探そうとしても、残念ながらその線はどれも不正解だからです。はっきり言えば、その全てが「当たり」ではないのです。

一本の線を「これだ」と決めれば、その隣にあるモチーフの位置関係も決まります。その二本の線が合っていれば、さらにその隣の位置も決まっていきます。もし全ての輪郭が何本もの線で描かれていたら、どの線を選ぶかによって全ての関係性がずれてしまい、絵全体が定まらない、まるで幻のような状態になってしまうのです。

ですから、まずは「決める」ことです。たった一本の線を、勇気を持って決めればよいのです。もちろん、最初のアタリの段階では、いくつかの線を描く必要はあるでしょう。しかし、その中から「暫定的にこれでいこう」と一本を選びます。「もし間違っていたら、後で直せばいい」くらいの気持ちで構いません。このように、画面上で決断を繰り返していくことが、結果的に仕上がりを早め、絵に力強さを与えます。

多くの場合、描かれている線の多さは、描き手の迷いの多さに比例します。決断を後回しにする癖が、輪郭線を増やしてしまうのです。

デッサンQ&A吹き出し用画像つぼねこ
つぼねこ

ものと ものとの 境目には ほんとうは 線はないんや!!
でも 線を感じるということは 無いけど 有るんや
どっちや!!!

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

たまに 深いことを いいますよね 汗

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デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


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