デッサン用語集

デッサンでよく使われる用語たち

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つぼねこ
【つぼねこ】

このコンテンツはトライトーンアートラボが2007年に 初代「デッサンの壺」サイトで公開したものを再掲載いたしました。リンクは大歓迎ですが、コピペ使用はご遠慮ください。※用語自体には著作権はございませんが、解説文・画像はオリジナルコンテンツです

あ行

アウトライン / outline(英)

(意味)  描く対象の輪郭線のこと。
(備考) あまりアウトラインを描くと立体感や質感、が半減する。筆圧で線に強弱をつけたりして、効果的に使う。

煽り / あおり

(意味) 下から見上げること。対象よりも観察点が低いこと。ローアングル。
(備考)  ⇔俯瞰

当たり / あたり

(意味) デッサンを描き始めるとき、構図を確認したり、全体のバランスを見るために、画面に描かれる簡単な全体像。
(備考) 「当たりをつける」のように使う。構図を決めるための下絵であるが、別の紙やクロッキー帳に描く「エスキス」とは異なり、当たりを着けた後はそのまま本番の絵へと移行する。

アングル / angle(英)

(意味) 対象を見る位置のこと。
(備考) もともとは写真用語で、カメラと被写体のなす角度のこと。
(用例) 「アングルを変える」(向きを変える)

イーゼル / easel(英)

(意味) キャンパスやパネルを置く架台。
(備考)  屋外用、屋内用、折りたたみ式、など様々なものがある。

色幅 / いろはば

(意味) 明度もしくはの幅、デッサンでは主に黒と白の幅のこと。
(備考) 色幅が大きいほど、光が強い印象を与える。

映り込み / うつりこみ

(意味) 鏡面上の鍋やガラス瓶などに映っている、人やモノ、風景、光など。
(備考) 特に鏡面の静物では、どれだけ多く映り込みの情報を描き込んでいくかで、質感やが表現できる。また、映り込みの細かさで、表面の平滑さが表せる。

描き込み / えがきこみ(かきこみ)

(意味) 絵に手を加えること。特に、細かいところまで詳細に描くこと。
(備考) 最初から詳細に描き込みすぎると全体のバランスが取れなくなる。ある程度全体のバランスを取ってから、描きこんだ方が良い。また、詳細を描き込む時も時々全体を見てバランスに注意すること。

エスキス(エスキース) / esquisse(仏、英)

(意味) 構図や配置、対象の描き方を試すための、本番の画面とは別の下絵のこと。
(備考) 日本ではスケッチやクロッキーとほぼ同義語として使われている。

遠近法 / えんきんほう

(意味) 絵画、デッサンなどの平面上に三次元立体物を表現するための技法。一般的には、幾何学遠近法(透視図法)がもっとも知られている。
(備考) 透視図法の他にも、空気遠近法など古代から近代まで、さまざまな遠近法が登場したが、デッサンでは主に透視図法が用いられる。

追う / おう

(意味) デッサンのときに、形や質感を注意深く見たり、描くことを「~を追う」という。
(用例)(形、質感・を)追う。(形、質感・をよく見て書く)

オーバーパース / over perspective(和製英語)

(意味) 手前をより大きく、奥をより小さく、誇張したパース。
(備考) デッサンにおいては、基本的には失敗だが、インパクトを出すために、意図的に用いられることもある。

か行

塊 / かたまり

(意味) 対象全体を指す。
(用例) 「もっと大きくカタマリとしてとらえなさい」(細部にとらわれず、大きな形をみなさい)

カルトン / carton(仏)

(意味) 画板。狭義では厚紙が紐で二枚合わさっているものを指す。
(備考)  カルトン(Carton)は、フランス語で厚紙や段ボールのこと。

輝度 / きど

(意味) そのものが発する光の強さ。
(備考) 「明度」とは基準が違う。

逆パース / ぎゃくぱーす

(意味)  通常のパースとは逆に、奥が大きく、手前が小さいこと。
(備考)  通常のデッサンでは、失敗とされる。

/ ぎゃっこう

(意味)  観察者から見て、対象の奥側に光源があること。
(備考)  黒を沢山のせなければならないデメリットがあるが、美しい陰影を表現するのには絶好の位置。

キャンバス(カンバス) / gradation(英)

(意味)  絵を描くための布。主に油絵で使われる。

グラデーション / gradation(英)

(意味)  階調(色調)など、グレーや色が段階的に移り変わる調子のこと。
(備考)  この階調をより多く作ることでデッサンの密度が大きく変わる。
(用例) 「グラデーションがきつい。」(調子の変化が急だ)

グレースケール / grayscale(英)

(意味)  白から黒へ徐々に調子が変わること、またその調子によって明度やを表し、表現する方法。

 

クロッキー / croquis (仏)

(意味)  作品を制作する際の構想や手がかりとして、または日頃の練習として描いた速描や粗描のこと。
(備考)  昔はそれほど重要視されていなかったが、現在は作品が創られる過程や、その作家の本質を知ることができる貴重な資料として、また作品としても見直されている。

ケント紙 / けんとし

(意味)  厚みがあり、表面が平滑な紙。
(備考)  デッサンにはあまり用いられない。

光源 / こうげん

(意味)  光の発生元。
(備考)  光源の数だけ影が出来る。また、光源の強さによって影の濃さが決まる。反射光もひとつの光源といえる。

構図 / こうず

(意味)  あたえられた対象をどうやって画面に配置するか、そのレイアウトの仕方。
(備考)  一般的に良い構図というのは、その対象が一番効果的に配置された場合を指す。悪い構図とは、対象が切れていて見る側に何か判らない、モノを大きく描きすぎて画面に窮屈な印象を持つ、反対にモノを小さく描きすぎて画面の余白が多すぎる、などの場合。

構造 / こうぞう

(意味)  対象を支えている根本の仕組み。
(備考)  人体で言うと骨格や重心、鍋やジュース缶であれば円柱など。構造をしっかりと捉えることが、フォルムを表現する基礎となる。

擦り / こすり

(意味)  擦ること、また擦ることで出来るぼかしの表現。
(用例) 「コスリを入れる」(擦ってぼかす)

/ こゆうしょく

(意味)  光による明暗や陰影に関係がない、モノそのものの色。リンゴは赤、レモンは黄色がとなる。

コントラスト / contraste(仏)、contrast(英)

(意味)  色や明暗の差のこと。
(備考) 「コントラストが強い」(明暗の差が大きい、急激)

さ行

/ さいど

(意味)   色の鮮やかさ、純粋さのこと。
(用例)  黒一色のデッサンでも、黒の「」がある。

擦筆 / さっぴつ

(意味)  擦りを入れるために使う、ペン状の道具。

自然光 / しぜんこう

(意味)  太陽からの光のこと。
(備考) ⇔人工光
自然光は光源が非常に遠いため、まっすぐではっきりした影が出来る。

自然色

(意味) 周囲の明るさや光源の反射などの影響を受け、実際に目に見える色。
(備考) ⇔固有色  基本的にデッサンでは、固有色よりも自然色を重視する場合が多い。

質感 / しつかん

(意味) 素材そのものがもつ素材や材質の感じ。
(備考) デッサンでは、立体感、質感、をいかに描けるかがポイントとなる。

順光 / じゅんこう

(意味) 観察者から見て、対象の手前に光源があること。

/ しろでぬく

(意味) 消しゴムで部分的に消すこと。
(備考) ハイライトの表現等によく用いられる。

芯抜き / しんぬき

(意味) 木炭デッサンで使う木炭の、芯のスポンジ質の部分を抜くこと、またそのための道具のこと。

シンメトリー / symetrie(仏)、symmetry(英)

(意味) 上下、左右などに対称であること。
(備考) ⇔アシンメトリー

スケッチ / sketch(英)

(意味) 見たものを大まかに絵にすること。
(備考) かなり広い意味で使われる。

スティプリング / stippling(英)

(意味) 点描のこと。短いストロークを用いて、濃淡を表現する。
(備考) 細かな表現が可能な反面、非常に時間がかかる。

ステッドラー / STAEDTLER(独、社名)

(意味) ドイツのデザイン用品メーカー。
(備考) デッサン、デザインの描画材として、この会社と国内の三菱鉛筆がもっともポピュラーと言える。

素描 / そびょう

(意味) 単色で描かれる絵のこと。デッサン、ドローイング。

た行

タッチ / touch(英)

(意味) 鉛筆などに限らず、描画材による筆触や線、調子のこと。転じて絵全体の印象を言うこともある。 
(用例) 「この絵のタッチは荒い。」(描線や調子が雑だ)

ディティール / detail(仏、英)

(意味) 細部、また細部の描写のこと。時に装飾の意

テクスチュア(テクスチャー)/ texture(英)

(意味) テクスチュア(テクスチャー) / texture(英)

デッサン/dessin(仏)

(意味) 鉛筆や木炭などを用いた素描。または、用語として絵画の写実性ののこと。
(用例) 「この絵はデッサンが狂っている。」(写実性が低い、狂いがある)

デッサンスケール(デスケル)/dessin scale(和製仏英語)

(意味) 等分割された線の入った透明な板。当たりをつけるのに使う。

トーン/tone(仏、英)

(意味) 明暗や色の調子のこと。また、絵画全体の雰囲気。
(用例) 「トーンを落とす」(、あるいは明度を落とす) /「トーンを変える」(雰囲気を変える)

トリミング/trimming(英)

(意味) 縁決め、構図。画面に対してのモチーフの大きさや配置のこと。
(備考) 写真やデザインでは、縁・余白を詰めること。

な行

練り消しゴム(練りゴム)/ねりけしごむ

(意味) 乗せてしまった描画材の粉を吸着して消すためのゴム。
(備考) よく練って柔らかくし、必要に応じて形を変えて使う。 ねりけし。

(色、調子、鉛筆を)のせる / のせる

(意味) デッサンでは、黒やグレーなどの調子を加筆をすること。
(用例) 「多めに色を乗せる」(調子が強く出るように、何度も描く)

は行

パース / perspective(英)

(意味) パースペクティブ(英)の略。遠近法のこと。特に幾何学遠近法(透視図法)のことを指す。
(備考) 広義では、遠近を分かるように描く方法、またそのように描かれた図のこと。「パースが狂っている」(遠近が正確でない) 注:建築分野では、主に透視図法によって描かれた図そのもののことを指す。
(用例) 「パースを書く」(透視図を描く)

ハイライト / highlight(英)

(意味) もっとも明るいところ。光が当たって、明度が強くなっているところ。

測り棒 / はかりぼう

(意味) モチーフの比率を計るのに使われる棒のこと。
(備考) 画材店でも売っているが、自転車のスポーク等、手で持てる適当な長さの細い棒であればなんでも良い。

ハッチング / hatching(英)

(意味) 同じ角度の線を連ねて描くこと。
(備考) 鉛筆デッサンの基本的な描画方法。

羽ぼうき / はねぼうき

(意味) 消しゴムのカスなどを取り払うのに使う、鳥の羽にもち手のついた道具。
(備考) 木炭デッサンにおいて、繊細にぼかすための道具として使われることも多い。

パネル(木製パネル) / panel(英)

(意味) 紙を水張りするための板。またそのまま用紙の支持体としても用いられる。
(備考) B3サイズのものがよく用いられる。

反射光 / はんしゃこう

(意味) 台やモチーフ等で反射した、間接的な光のこと。
(備考) ハイライトの表現等によく用いられる。

フォルム / forme(仏)、form(英)

(意味) 物の形、形態のこと。フォーム

俯瞰/ふかん

(意味) 上から見下ろすこと。対象よりも観察点が高いこと。ハイアングル。
(備考) ⇔煽り

フキサチーフ(フィクサチーフ、定着液) / fixatif(仏)、fixative(英)

(意味) 作品の完成後、描画材を画面に定着させるためのもの。スプレーや霧吹きなどで吹き付けて使用する。特に木炭デッサン、パステル画などは描画材に定着する力がないので、必ず吹き付ける。
(備考) 液体のものもあるが、最近はスプレー式のものが多い。室内での使用時には換気に注意すること。

ベース / base(仏、英)

(意味) 基礎、基本。転じて、基本となる明度や彩度のこと。

ま~わ行

マチエール / matiere(仏)

(意味) 画肌、絵の表面の質感のこと。
(備考) 絵画一般では、材質感を高めるために絵の表面に用いる、絵の具以外の素材(砂、樹脂など)のこと。

マッス / mass(英)

(意味) 量塊、塊としての重量感。描かれたものの存在感。

ムーブマン(ムーブメント) / mouvement(仏)、movement(英)

(意味) 運動、動作等の意味。転じて動きを感じさせるような表現のこと。

明度 / めいど

(意味) 明るさのこと。明るいと知覚される度合い。
(備考) 理想的な黒を明度が一番「低い」とし、理想的な白を明度が一番「高い」とする。

目玉クリップ / めだまくりっぷ

(意味) つまみ部分が丸く中央に穴の開いたクリップの総称。
(備考) カルトン(画板)と紙を挟んで固定するのによく使われる。

木炭 / もくたん

(意味) 柳や桑などから作られる、素描用の墨。濃さ、固さ、色合いなどで使い分ける。
(備考) 伊研というメーカーのものが有名。

木炭紙 / もくたんし

(意味) 木炭で描画するための、柔らかく目の粗い紙。
(備考) サイズは50×65センチが主流。また、木炭紙サイズとは、このサイズのこと。

/ もしゃ

(意味) 描き写すこと。
(備考) 人の作品の模写をすることは、構図や描画・表現法の訓練になる。写真の模写は、デッサンではあまり用いられない。

モチーフ / motif(仏)

(意味) 創作のきっかけとなる動機、題材、テーマなど。また、描かれる対象のこと。
(備考) デッサンでは、もっぱら「描かれる対象」という意味で用いられる。

ラフ / rough(英)

(意味) 大まかに当たりをつけること、またつけた状態のもの。

立体感 / りったいかん

(意味) デッサンのときに、形や質感を注意深く見たり、描くことを「~を追う」という。
(備考) 対象の3次元的な形や奥行きの感じ。

量感 / りょうかん

(意味) 対象の3次元的な形や奥行きの感じ。
(備考) デッサンでは、形、立体感、質感、量感をいかに描けるかがポイントとなる。

 

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