デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編 知識編

人体を描く時、手足が小さくなってしまうのはなぜですか?

デッサンQ&A吹き出し用画像男性3
ヤマダさん

人体を描く時、手足が小さくなってしまうのはなぜですか?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

人間の脳は、他人を認識するとき、主にどこを見ているのでしょうか。
手足の形ではなく、もちろん「顔」で個人を判断しています。
つまり、脳にとっては顔が最も重要で、それ以外の体のパーツは、あまり重要視していないのです。

この脳の「思い込み」が、デッサンにおける狂いの原因になります。
何も考えずに人物を描くと、つい顔を大きく描きすぎて頭部が小さくなったり、胴体に比べて手足が小さくなったりしがちです。

また、普段の目線が高い位置にあるため、足は実際よりも小さく感じてしまい、絵にすると脚全体が短くなってしまう、という失敗もよくあります。
これは人体デッサンに限らず、様々なモチーフを描く際に起こりうることです。

ですから、デッサンに慣れないうちは、こうした思い込みを修正するために、意識的に比率を測りながら形を捉えることをお勧めします。
特に、全身を描く際には、脚が短くならないように注意してください。

少なくとも、体全体の真ん中がどこに来るかだけでも、常に認識しておくと良いでしょう。
(自然に立った状態では、だいたい手首の位置が、身長のちょうど半分くらいになります)

それ以外にも、体のパーツ同士で大きさを比較できるポイントをいくつか覚えておくと、デッサンがぐっと楽になります。
例えば、「足の裏の長さ」と「腕の肘から手首までの長さ」は、ほぼ同じです。
また、「手のひらの大きさ」が、自分の顔に対してどれくらいの割合か、鏡で一度確かめておくのも、非常に有効な基準になります。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編, 知識編
-, ,

関連記事

最初画面にアタリを取るのがとても苦手です。

タナカくん 最初画面にアタリを取るのがとても苦手なんです・・ センセイ 真っ白な紙を前にすると、どこから描き始めていいか分からず、少し怖い気持ちになりますよね。そんな時は、「絶対に間違えようがない場所 …

形を取っているうちに時間が過ぎてしまう。

スズキくん 形を取っているうちに時間が過ぎてしまいます・・ センセイ 全ての形を取ってから中を塗るのではなく、全体の形は描きながらいつでも修正できる、というくらいの気持ちでいる方が、のびのびと描くこと …

構図が単調になってしまいます。

スズキくん 構図が単調になってしまいます… センセイ 静物デッサンなど、動かないモチーフを描く場合でも、構図の中に「動き(ムーブマン)」や「流れ」を意識することが大切です。例えば、左右対称にモチーフを …

目の前にモデルがいないと、うまく人物を描くことができないのですが。

サトウさん 目の前にモデルがいないと、うまく人物を描くことができないのですが… センセイ これは、手癖だけで描いている段階や、モデルを見ているようで見ていない段階よりは、先に進んでいる証拠です。そこか …

描画方法を勉強したいのですが、どうすればよいですか?

スズキくん 描画方法を勉強したいのですが、どうすればよいですか? センセイ 絵の世界にも、様々な「理論」が存在します。多くの関連書籍が出版されていますので、一度読んでみるのも良いでしょう。例えば、脳と …

error: