デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

人(キャラクター)の描き分けができないのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像女性2の2
タカハシさん

人(キャラクター)の描き分けができないのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

太っている、痩せている、若い、年を取っている…といった、様々な顔の描き分けができないと、登場人物がみんな同じような顔になってしまいがちです。
特に、年齢の描き分けに苦労されている方は多いのではないでしょうか。

本などには、それらしく見せるコツも載っていますが、その場しのぎの知識だけでは、様々な角度から描いたり、表情をつけたりする段階で、根本的な理解がないと行き詰まってしまいます。

描き分けの基本は、「骨」を意識することです。
人の土台である頭蓋骨や骨格から考えると、様々な顔の特徴が理解しやすくなります。
まずは、どこかで頭蓋骨の写真などを手に入れ、一度それをじっくりと模写してみてください。

その後、今度は自分の顔を実際に触ってみて、肉がほとんどついておらず骨張っている部分と、肉が厚く骨に触れにくい部分を確かめてみてください。
耳の付け根、頬骨、こめかみ、眉の上といった、肉があまりつかない部分の骨の位置は、人が太っても痩せても、大きくは変わりません。

この骨格を基準に考えます。
太っている人を描くなら、肉のつきやすい部分を多めに描き、痩せている人を描くなら、逆にその部分の肉を削ぎ落として、頭蓋骨の形に近づけていきます。

年を取った人を描く場合は、表面の肉が重力で下に引っ張られることを意識します。
口角や頬、首の下の肉などが、若い人よりも少し下がった位置に来るように描くのです。

この考え方に慣れてくると、友人の顔などを見ていても、その奥にある頭蓋骨の形が自然と見えてくるようになります。
このとき、モデルやタレントよりも、身の回りにいる普通の人たちの顔の方が、個性的で良い参考になります。
「あの人は下あごががっしりしているな」「この人は頬骨の位置が高いな」というように、見た目の特徴と骨格を結びつけて観察してみてください。
特に、自分が普段描き慣れている顔の比率と、どう違うのかを意識するのがポイントです。

描き分けに迷ったら、いつでも「骨格」という基本に立ち返る。
ぜひ、この考え方を試してみてください。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-,

関連記事

長年デッサンをやっていると、自分が伸びているのか分からなくなります…

ヤマダさん 長年デッサンをやっていると、自分が伸びているのか分からなくなります… センセイ 長年デッサンを描き続けていると、技術は安定してきますが、その一方で、初心者の頃のような急激な上達を感じられな …

トライトーン・アートラボ_デッサン教室 ツボバナー角型

その他 一覧【デッサン質問箱】

🟥🟥🟥 その他 🟥🟥🟥 ・「請求書を送ってください」 あわわ…書き方は…どうすれば ・ 美大では、どんなデッサンの授業をするのですか? ・年齢によって、うまくなる速度は違いますか? ・先生は …

 デッサンにおいて、完成とはどういう状態を言うのでしょうか。

スズキくん デッサンにおいて、完成とはどういう状態を言うのでしょうか? センセイ 私たちのスクールでは、一枚のデッサンを「4時間で仕上げる」「6時間で仕上げる」というように、制作時間に締め切りを設定し …

色々なメーカーの鉛筆がありますが、どう選べばよいでしょうか?

スズキくん 色々なメーカーの鉛筆がありますが、どう選べばよいでしょうか? センセイ デッサンで主に使用される鉛筆は、三菱鉛筆の「ユニ」「ハイユニ」や、ステッドラー社の「ルモグラフ」といったブランドが有 …

石膏像を描くと、黒っぽくなってしまうのですが。

タナカくん 石膏像を描くと、黒っぽくなってしまうのですが・・・ センセイ 固有色を持たない真っ白な石膏像は、「光」そのものを捉える練習に最適なモチーフです。光がどこから当たり、それによってどこが最も明 …

error: