デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編 知識編

メカやキャラクターデザインのコツを教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像男性3
ヤマダさん

メカやキャラクターデザインのコツを教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

今回は、デッサン・クロッキーという視点からお答えさせていただきます。

私がよく生徒さんにする話があります。まず、「バイクを描いてみてください」と言うと、ほとんどの人は「描けない」と答えます。「見たことはありますか?」と聞くと、「あります」と。では、なぜ描けないのでしょうか。それは、目がまだ「絵を描くための目」になっていないからです。

そこでまず、試しにバイクを一台、クロッキーしてみます。小さい紙に、簡単なスケ-ッチで構いません。そうすると、まず「ある一台のバイクの形」を覚えることができます。後日、街でとてもカッコいいバイクを見かけたとします。そのとき、「どこがカッコいいのか」が、以前より分かるようになっているはずです。「前に描いたバイクとどこが違うだろう?車高が低いのか?タイヤの大きさが違うのか?」と。そうして、違いを観察し、また簡単なスケ-ッチを描いてみます。

この繰り返しによって、自分が「カッコいい」と感じるものの、造形的な理由がだんだんと分かってきます。これこそが、あなた自身の「個性」の源泉です。この力が身についた後で、例えばメカニックデザインの仕事が来たとします。たくさんの「カッコいい」の理由を知っている人なら、その仕事はそう難しくありません。自分が良いと思う部分を、造形的に組み合わせて描いていけばよいのです。様々な機械や乗り物を観察し、描いた経験があれば、構造的にも「ありえそうな」説得力のあるデザインが、次々と生まれてくるでしょう。

この考え方は、キャラクターやクリーチャーのデザインにも全く同じように応用できます。人間や動物、植物などを観察し、その特徴を誇張したり、自分が特に魅力的だと感じる部分をクローズアップしたりすることで、あなただけのデフォルメが生まれるのです。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編, 知識編
-,

関連記事

デッサン力は大人になってからでも身につきますか?

タナカくん デッサン力は大人になってからでも身につきますか? センセイ 大人には、大人ならではの効果的な絵の勉強法があります。 確かに、手を動かす技術の習得スピードは若い人に及ばないかもしれません。し …

立方体を描くのに、測りながら描いたのですが、どこかが変に見えます。

スズキくん 立方体を描くのに、測りながら描いたのですが、どこかが変に見えます。 センセイ 角度や長さを測りながら丁寧に描いたはずなのに、なぜか形がおかしくなってしまう。それが、多くの初心者が最初につま …

目の前にモデルがいないと、うまく人物を描くことができないのですが。

サトウさん 目の前にモデルがいないと、うまく人物を描くことができないのですが… センセイ これは、手癖だけで描いている段階や、モデルを見ているようで見ていない段階よりは、先に進んでいる証拠です。そこか …

薄く塗り重ねていくと、時間が足りないのですが

ヤマダさん 薄く塗り重ねていくと、時間が足りないのですが・・ センセイ デッサンを始めたばかりの頃は、濃い色を置くのが怖くて、つい何度も薄い色を塗り重ねてしまいがちですよね。もちろん、それも繊細で綺麗 …

資料がないとうまく絵が描けません。

ヤマダさん 資料がないとうまく絵が描けないんですよね・・・ センセイ 良い絵を描くために、普段から資料を集める習慣をつけましょう。今はインターネットですぐに画像検索ができますが、気に入った写真やイラス …

error: