その他 デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

人物のキャラクターを自分で考えて描くのが難しいです…

デッサンQ&A吹き出し用画像女性1
サトウさん

人物のキャラクターを自分で考えて描くのが難しいです…

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

「頭の中には描きたいものがあるのに、うまく描けない」
この悩みは、二つのケースに分けられます。
一つは、描くための「技術が足りない」のか。
もう一つは、そもそも「描きたいものが、頭の中で明確に浮かんでいない」のか、です。

前者の「技術不足」は、まさにデッサン力と直結する問題です。
これを解決するには、まず技術を身につけるために、数多く描くことを目指しましょう。
想像だけで描く練習よりも、実際に物を見て描く方が、表現の幅は格段に広がります。
クロッキーやデッサン、スケッチなどを繰り返し行うことをお勧めします。

後者の「イメージ不足」の場合は、とにかくインプットを増やすことを心がけてください。
要するに、目から入る情報を意識的に増やすのです。

普段なんとなく見過ごしているものでも、「いざ描こうとすると全く描けない」という経験はありませんか。
それは、見ているようで、実は見ていなかった、という証拠です。
見たもの、描いたものの形は、必ず「覚える」ようにしてください。
頭の中の引き出しに、形のストックをきちんとしまっておくことが重要です。
(絵が上手い人は、例外なくこの作業を徹底しています)

そうして頭の中に形のストックが増えてくると、それらを組み合わせる「想像力」が働き始めます。
キャラクターを描くのであれば、その性格や口癖といった内面まで、妄想に近いレベルで深く考えてみましょう。
そうした背景を考えた上で初めて、そのキャラクターらしい服装やポーズ、表情が生まれ、絵が生き生きとしてくるのです。

そうしたキャラクター設定について、気兼ねなく語り合える友人の存在も、実はとても重要です。
「恥ずかしい」という気持ちが、自由な発想の妨げになることもありますから。

まとめると、「技術」、豊かな「想像力」、そしてそれを支える「形の記憶」。この三つが、想像の世界を描く上で重要になります。
これに「観察力」が加われば、なお良いでしょう。
普段の生活から、意識的に「見ること」に気をつけてみてください。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-その他, デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-, ,

関連記事

講師成冨の動画配信「デッサン配信 1日目」

関連投稿: 鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか? 知識編一覧【デッサン質問箱】 鉛筆のタッチを強く出すのと出さないのは、どちらがよいのですか? 応用技法編 一覧【デッサン質問箱】   靴が上手く描 …

人体の比率がうまく描けません…

タカハシさん 人体の比率がうまく描けません… センセイ 人物デッサンにおけるプロポーションの間違いは、描き慣れていないうちは、自分ではなかなか気づけないものです。これは、目と脳が、現実の比率を錯覚によ …

講師成冨の動画配信「デッサン配信 3日目」

関連投稿: 鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか? 知識編一覧【デッサン質問箱】 鉛筆のタッチを強く出すのと出さないのは、どちらがよいのですか? 応用技法編 一覧【デッサン質問箱】   靴が上手く描 …

毎日、円だけを描くと絵が上手くなると聞いたのですが、本当ですか?

サトウさん 毎日、円だけを描くと絵が上手くなると聞いたのですが、本当ですか? センセイ 「とにかく、たくさん描けば上手くなる」という言葉は、厳密に言えば、初心者の方にとってのみ真実です。デッサンや絵を …

受験用のデッサンと仕事で必要なデッサンの違いは?

ヤマダさん 受験用のデッサンと仕事で必要なデッサンの違いってあるのですか? センセイ 美術系の受験では、目の前にあるモチーフを時間をかけてじっくり描くことが多いですよね。しかし、実際の仕事の現場では、 …

error: