デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 知識編

 デッサンにおいて、完成とはどういう状態を言うのでしょうか。

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

デッサンにおいて、完成とはどういう状態を言うのでしょうか?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

私たちのスクールでは、一枚のデッサンを「4時間で仕上げる」「6時間で仕上げる」というように、制作時間に締め切りを設定しています。
しかし、アトリエによっては、特に時間を設けず、描き手が納得するまで制作でき、講評なども行わない、というスタイルの場所もあります。

後者のような環境では、自分で「完成」のゴールを設定する必要があります。
描き慣れている人であれば、あらかじめ仕上がりのイメージを持ってデッサンを始めるため、どこまでやれば完成か分かります。
しかし、初心者の方にとっては、この「完成」の判断が非常に難しいでしょう。

そこでお勧めしたい、最も簡単なゴール設定の方法が、「自分で時間を決める」ことです。
例えば、「このデッサンは6時間で描く」と決め、その時間内で完成させるにはどうすれば良いか、逆算しながら作業の計画を立てていくのです。
(初心者の方は、まず4~6時間くらいを目安に設定すると良いでしょう)

これを繰り返すうちに、自分が6時間でどこまで描けるのかが、だんだんと分かってきます。
たとえ時間内に終わらなくても、安易に延長はしないでください。
むしろ、その決められた枠組みの中で、どうすればもっと効率よく描けるかを考えることの方が重要です。

クリエイティブな仕事において、デッサンとは、作業の効率を上げ、より早く目的地(ゴール)にたどり着くために行う演習でもあります。
現実の仕事に締め切りがないものはないように、練習であるデッサンにも、時間を設定するべきなのです。

「趣味なのだから、いくら時間をかけても良いではないか」という意見もあるでしょう。
しかし、私たちの人生という時間もまた、有限です。
趣味としてデッサンを楽しむ上でも、ある程度の時間設定をすることは、一枚一枚を大切に仕上げる上で、きっと良い効果をもたらしてくれると思います。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 知識編
-, ,

関連記事

デッサンは、使える技術ですか?

スズキくん デッサンは、使える技術ですか? センセイ 現代では、鉛筆はシャープペンシルに、紙はPCやタブレットにと、道具は大きく変化し、昔ながらの鉛筆と消しゴムで絵を描く機会は少なくなりました。そうい …

どんなタッチで描けば良いのですか?

サトウさん どんなタッチで描けば良いのですか? センセイ アタリを元に描き込んでいく際、「どのようなタッチで仕上げていけば良いか」という決まったルールはありません。基本的には自由です。しかし、そう言わ …

『測り棒』とはどんなものですか?どう使うのですか?

スズキくん 『測り棒』とはどんなものですか?どう使うのですか? センセイ 「測り棒」は、デッサンには欠かせないアイテムの一つです。しかし、不思議なことに、画材店で「測り棒をください」と言っても、基本的 …

モチーフの色や模様と、陰影が一緒になると、よく分からなくなります。

サトウさん モチーフの色や模様と、陰影が一緒になると、よく分からなくなります。 センセイ りんごのように、表面に複雑な色や模様があるモチーフのデッサンでは、「どこまでが模様で、どこからが陰影なのか」が …

鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか?

スズキくん 鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか? センセイ デッサンでは、鉛筆を寝かせて広い面を塗ることがよくあります。そのため、鉛筆の先端を削る際、芯の周りの木の部分を短く削りすぎると、その木材 …

error: