デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 基礎技法編 知識編

最後まで形の歪みに気が付きません…

デッサンQ&A吹き出し用画像男性3
ヤマダさん

最後まで形の歪みに気が付きません…

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

「自分に見えていないものは描けない」のと同じで、自分で気づいていないデッサンの間違いは、自分で直すことができません。
よく「絵から離れて見ると歪みが分かる」と言いますが、それでもなかなか歪みに気づけない、という場合もあります。
ここでは、そうした自分では見つけにくい歪みを発見するための、具体的な方法をいくつかご紹介します。

まず、「直線の歪み」を見つける方法です。
画用紙の端を、自分の目線の高さで、ほぼ水平になるように持ち上げて見てみてください。
描いた直線が、視点によってぐっと短く圧縮されて見えるため、僅かな歪みやカーブがとても分かりやすくなります。

次に、「左右対称なものの歪み」を見つける方法です。
円柱や瓶、球体といったモチーフのデッサンは、一度、紙を上下逆さまにひっくり返してみましょう。
あるいは、窓の光などに紙を透かし、裏側から見てみるのも大変有効です。
見慣れた形が反転することで、脳がリフレッシュされ、歪んだ部分がはっきりと認識できるようになります。

最後に、「見えない部分の歪み」です。
例えば、斜めから見た人体の奥側の肩や、モチーフが重なって見えない部分、台の向こう側の辺などが、実は正しく繋がっていない、というケースはよくあります。
これを防ぐため、デッサンの形を取る最初の段階では、モチーフが透けているかのように、隠れた部分の線も薄く描いておきましょう。
形を直す際にも、一度補助線として隠れた部分を描き足し、繋がりを確認してみるのが良いでしょう。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 基礎技法編, 知識編
-, ,

関連記事

メカやキャラクターデザインのコツを教えてください。

ヤマダさん メカやキャラクターデザインのコツを教えてください。 センセイ 今回は、デッサン・クロッキーという視点からお答えさせていただきます。 私がよく生徒さんにする話があります。まず、「バイクを描い …

絵を描く上で、絵の技術以外に勉強したほうがよいことはありますか?

サトウさん 絵を描く上で、絵の技術以外に勉強したほうがよいことはありますか? センセイ 仕事、作家活動、趣味など、目的によって多少の違いはありますが、今回は一般論として書きます。 同じ対象を見ているは …

鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか?

スズキくん 鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか? センセイ デッサンでは、鉛筆を寝かせて広い面を塗ることがよくあります。そのため、鉛筆の先端を削る際、芯の周りの木の部分を短く削りすぎると、その木材 …

鉛筆のタッチを強く出すのと出さないのは、どちらがよいのですか?

ヤマダさん 鉛筆のタッチを強く出すのと出さないのは、どちらがよいのですか? センセイ デッサンにおける表現技法の一つに、鉛筆の描線をあえて残したまま描き進める「ハッチング」というものがあります。線の密 …

モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか?

サトウさん モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか? センセイ 白や黒も、広い意味では色の一種です。そのため、鉛筆デッサンの世界では、白黒の濃淡について「色」という言葉を使うことが …

error: