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ハッチングで描いてはいけないのでしょうか?

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サトウさん

ハッチングで描いてはいけないのでしょうか?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

※「ハッチング」とは、鉛筆デッサンなどで使われる技法の一つです。
鉛筆のタッチ(描線)をあえて消さずに残し、その線を重ねたり、線の密度を変えたりすることで、陰影や質感を表現します。漫画でよく見られる「カケアミ」も、このハッチングの一種と考えると分かりやすいでしょう。

鉛筆のタッチを活かすハッチングでデッサンを仕上げると、画面に勢いが生まれ、非常にダイナミックな作品になるという利点があります。

しかし、私は普段ハッチングで描いている方に、あえて別の描き方を試すよう勧めることがあります。
もちろん、ハッチングが悪いという意味ではありません。
ハッチングだけでなく、面で塗り込む描き方や、鉛筆を寝かせて描く方法など、色々な技法を試すことは、表現者として決して損にはならない、と考えるからです。

例えば、白くてつるつるしたモチーフを考えてみましょう。
確かに、ハッチングだけでそのモチーフを描き切ることも可能です。
しかし、本来つるつるであるはずの質感を、ハッチングのタッチで表現するのは、なかなか難しいものです。

それならば、主役のモチーフは硬めの鉛筆でしっかり塗り込んだり、鉛筆を寝かせて滑らかなグラデーションを作ったりして「つるつる感」を表現し、逆に、その周りの物や台座をハッチングで荒々しく描いてみる。
そうすることで、質感の対比が生まれ、より効果的な表現が可能になります。

デッサンには、「こう描くべきだ」という絶対的なルールはありません。
だからこそ、自分の表現の「型」を見つけるために、様々な実験を繰り返してみる。
それが、結果的に自分のデッサンの技術の幅を広げる、最も有効な方法だと考えてみてはいかがでしょうか。

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デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


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