デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

人を描くときに、みんな同じ顔になってしまいます。

デッサンQ&A吹き出し用画像女性2の2
タカハシさん

人を描くときに、みんな同じ顔になってしまいます・・・

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

そもそも、なぜ私たちは大勢の中から特定の人の顔を見分けることができるのでしょうか。それはもちろん、一人ひとりの顔に「差」があるからです。いろいろな顔を描き分ける第一歩は、この「差」を意識的に見つける訓練から始まります。

まずは、自分の中の「基準となる顔」を一つ決めましょう。無意識のうちに自分の顔を基準にしがちですが、ここでは客観的な基準として、整っていると感じるモデルやタレントの顔写真を選ぶのがおすすめです。その基準となる顔が決まったら、写真の上に線を引くなどして、目や口の位置関係、各パーツの大きさ、目じりの角度といった特徴をじっくりと分析し、頭にインプットします。

次に、全く別の人の顔写真を見て、先ほど覚えた「基準の顔」と比べてみてください。どこが、どのように違うでしょうか。特に、横顔は骨格の特徴が出やすいので、比較するのに最適です。「顎の形は丸いか、尖っているか」「鼻の高さはどうか」「額の傾斜はどうか」など、具体的なポイントを一つひとつ確認していきます。

この「基準との差」を分析する作業に慣れてきたら、いよいよ自分の絵に応用します。まずは、自分がいつも無意識に(手癖で)描いている顔を思い浮かべてください。そして、その顔のパーツの位置や形、大きさを、観察して見つけた「差」を参考に、ほんの少しだけ変えて描いてみましょう。その小さな試みの積み重ねが、多彩な表情や個性を描き分ける力につながっていきます。

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デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


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