デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編 知識編

光沢の表現と、理論を教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像男性3
ヤマダさん

光沢の表現と、理論を教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

金属やガラスなどの「光沢」をデッサンで表現するには、「ハイライト」と「映り込み」の二つを押さえておくと良いでしょう。

まずハイライトについて、気をつけるべきポイントが二つあります。
一つ目は、ハイライトの「色(明るさ)」です。
光沢が強い物質ほどハイライトは紙の地色に近い真っ白になり、光沢が弱い物質のハイライトは、ぼんやりと鈍い白になります。

二つ目のポイントは、ハイライトの「形」、特にその輪郭(際)の鋭さです。
光沢が強いほど、ハイライトの形はくっきりとシャープになります。
例えば、ビンやガラスに映るハイライトは形がはっきりしていますが、逆にリンゴや人の肌のハイライトは、輪郭がぼやけています。

この原則はイラストやCGで光沢を表現するときも同じです。
ガラス、金属、液体などを描く場合は、輪郭線のシャープな真っ白のハイライトを入れるようにしてください。
この輪郭がぼやけてしまうと、光沢感が一気になくなってしまうので、特に注意が必要です。

「映り込み」に関しても、考え方は同じです。
光沢が強い物質ほど、周りの景色がシャープに、くっきりと映り込みます。
ここは、決してぼかして描いてはいけません。逆に、つや消しの物質には、ぼんやりとした像が映り込みます。

デッサンで瓶などを描くとき、この映り込みを曖昧に描いてしまう人が多く見られますが、よく観察すると、思った以上にしっかりとした形で景色が映り込んでいるのが分かるはずです。
この部分をシャープに、カッチリと表現することが、光沢感を出すための重要なコツになります。

これは3DCGで質感を設定する場合も同様です。
サーフェイス(表面材質)設定の、特に鏡面反射(スペキュラ)や光沢の数値を適切に設定できれば、リアルな光沢感を表現できるはずです。

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デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


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