デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 基礎技法編 知識編

ポートフォリオの作り方を教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像男性1の2
タナカくん

ポートフォリオの作り方を教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

仕事の場面で、「ポートフォリオや作品を持って来て下さい」と言われることはよくあります。作家がギャラリーに持ち込む場合や、就職・転職、営業の際など、ポートフォリオを持参する機会は多いでしょう。これまで様々な人のポートフォリオを見てきましたが、その形式は本当に色々です。それぞれに個性があり、「こうあるべき」という決まった形はありません。自分で製本したもの、分厚く巨大なもの、絵本のように小さくまとめたものなど、実に様々です。

最も一般的なのは、市販のクリアファイルに作品のコピーや写真を綴じたものでしょう。あまり大きいと見づらいこともあるため、A4サイズ程度のものが扱いやすいと思います。中身の整理の仕方としては、年代別かテーマ別にまとめておくと見やすいです。各作品には、作品名や制作年に加え、使用した画材やソフトウェアなどを添えると丁寧です。イラストレーターの方の中には、制作時間を記載している人もいます。

ポートフォリオの構成は、「自分をどう見せたいか」を考えて決めていきます。例えば、作風や得意なものがはっきりしていて、それを売り込みたいのであれば、その作風が強く印象に残るようにページを構成します。ただし、似たような作品ばかりが続くと見る人は飽きてページを飛ばしてしまうため、時々雰囲気の違う作品を挟むなど、構成を工夫しましょう。逆に、色々な作風に対応できることを伝えたい場合は、見開きごとに印象が変わるように、似たような作品はあえて散らして配置します。

最後に注意点です。よほど強い物語性がある場合を除き、似たような作品が延々と続く分厚いポートフォリオは、見る側にとって辛いものですし、あなたの印象もぼやけてしまいがちです。自分の作品を選ぶ作業は大変ですが、「全てを見せる」のではなく、テーマやジャンルごとに代表作を数点選び出し、「センス良く見せる」ことに力を注いでください。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 基礎技法編, 知識編
-

関連記事

立方体を描くのに、測りながら描いたのですが、どこかが変に見えます。

スズキくん 立方体を描くのに、測りながら描いたのですが、どこかが変に見えます。 センセイ 角度や長さを測りながら丁寧に描いたはずなのに、なぜか形がおかしくなってしまう。それが、多くの初心者が最初につま …

鉛筆で塗るとき、ムラが出てしまいます。

スズキくん 鉛筆で塗るとき、ムラが出てしまいます。 センセイ 鉛筆は、本来「線」を描くための画材です。そのため、デッサンで広い面積を均一に塗ろうとすると、タッチが目立ってしまい、意図しない「ムラ」が出 …

静物画で、ラベル(ワイン瓶などの)の描き方はどうすればよいですか。

サトウさん 静物画で、ラベル(ワイン瓶などの)の描き方はどうすればよいですか? センセイ 瓶のラベルや箱のロゴといった模様は、デッサンにおいて悩ましい部分です。全く描かないと絵に「色気」が出ませんし、 …

迫力のある絵が描きたいのですが。

タナカくん 迫力のある絵が描きたいのですが・・ センセイ 弱いタッチで薄く描かれた絵に、迫力を出すのは難しいものです。しかしその一方で、力強く濃く塗り込んだはずなのに、なぜかあまり迫力が感じられない… …

好きな作家に絵が似てしまいます。

タナカくん 好きな作家に絵が似てしまいます。 センセイ 世の中の漫画やイラストを見ていると、「ああ、この人はきっとあの作家が好きなんだろうな」とか、「これは〇〇っぽい絵だな」と、作風のルーツを感じるこ …

error: