デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 基礎技法編 知識編

消し具の使い方を教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

消し具の使い方を教えてください。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

デッサンで使う「消し具」には、主にいくつかの種類があります。

鉛筆デッサンの場合は、一般的なプラスチック消しゴム(プラ消し)と、練り消しゴム(練り消し)の二つが中心です。
木炭デッサンの場合は、食パンの白い部分を消し具として使うこともあり、こちらは練り消しと併用することが多いです。

練り消しを選ぶ際は、子供向けの色や香りがついたものではなく、画材用の「デッサン用」か「製図用」と書かれたものを使用してください。
使う前には、まず手でよく練って、手の温度で少し温めるようにすると、柔らかくなり扱いやすくなります。

練り消しの大きな利点は、プラ消しのような消しカスが出ないため、紙の表面(紙の目)を傷めにくいことです。
基本的な使い方は、力を入れてこするのではなく、紙の上の鉛筆の粉を、練り消しに吸着させて写し取るような感覚です。
紙に押し当てて剥がしたり、軽く叩くように使ったりして、できるだけ紙を傷めないように消していきましょう。

消し具は、線を消すためだけでなく、「描く」ためにも使えます。
例えば、金属やガラスの鋭いハイライトは、プラ消しの角を使って、白い線を一本引くように消すと効果的です。
一方、ぼんやりとした柔らかいハイライトは、練り消しで軽く叩くようにして、白さを表現すると良いでしょう。

練り消しには、描いた部分の調子を弱める役割もあります。
平たく伸ばしたり、筒状に丸めたりした練り消しを、描いた面の上で転がしたり、軽く押し付けたりすることで、鉛筆の色合いを少し薄くすることができます。
もし濃く塗りすぎてしまった場合でも、全てを消して描き直すのではなく、まずは練り消しで薄く調整できないか試してみると良いでしょう。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 基礎技法編, 知識編
-,

関連記事

デッサン・・何から手を付ければ・・

タカハシさんが石膏像”メジチ”を前に何やら悩んでいるようですよ タカハシさん 先生・・・デッサンを始めるにあたって、どこから手を付ければいいのか分からないんです・・ センセイ …

輪郭線が濃くなってしまうのですが…

タナカくん 輪郭線が濃くなってしまうのですが… センセイ モノの形を捉えるとき、私たちはつい「輪郭線」を頼りにしがちです。しかし、現実の世界にはっきりとした線など存在しないのに、なぜか私たちの目には線 …

全体的に同じような色味(グレー)になってしまう。

よく見てデッサンしているつもりが、気がつくと全部同じ色味になっちゃうんです。丁寧に描いているんですが…。 【スズキくん】 できました、先生!時間かけて丁寧に描いたんで、自信あります! 【せんせい】 良 …

ガラス質の物を描くときのコツを教えてください。

ヤマダさん ガラス質の物を描くときのコツを教えてください。 センセイ 透明でありながら、周りの景色を映し込む「ガラス」は、デッサンの中でも特に難しいモチーフの一つですよね。これを描くには、結局のところ …

ある程度上手くなったのですが、そこからなかなか伸びません。

ヤマダさん ある程度上手くなったのですが、そこからなかなか伸びません。 センセイ 絵を描いていると、スランプに陥ったり、目の前に大きな壁が現れて、全く上達していないように感じたりすることはよくあります …

error: