デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 知識編

鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか?

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

デッサンでは、鉛筆を寝かせて広い面を塗ることがよくあります。
そのため、鉛筆の先端を削る際、芯の周りの木の部分を短く削りすぎると、その木材の角が紙に当たって傷つけてしまうことがあります。
これを防ぐため、デッサン用の鉛筆は、芯を長く露出させるように、木の部分も2~3センチほど長めに削り込むのが一般的です。

ただし、この「芯を長く削る」という方法は、ある程度硬い鉛筆に限られます。
柔らかい鉛筆(B系)の芯をあまり長く削り出すと、描くときの筆圧ですぐに折れてしまいます。
HBくらいまでを目安に、それより柔らかい鉛筆は、芯を長くしすぎないようにしましょう。

そして、芯の長さ以上にデッサンで大事になるのが、鉛筆そのものの「全長」です。
特に柔らかい鉛筆は消耗が激しく、すぐに短くなってしまいます。

短くなった鉛筆は、細部を描き込む際にはまだ使えますが、大きく形を捉えるために腕を伸ばして描く、といったことができなくなります。
このような場合は、「補助軸(補助芯)」と呼ばれる、鉛筆を延長するための道具を使いましょう。

短い鉛筆を使うと、自然と顔が画面に近づいてしまいます。
そうすると、画面全体が見えなくなり、背中を丸めて絵にしがみつくような姿勢になるため、デッサンの形が狂う大きな原因となります。

鉛筆は、気づかないうちにどんどん短くなっていくものです。
芯の削り方だけでなく、鉛筆自体の長さにも、常に気を配るようにしてください。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 知識編
-,

関連記事

好きな作家に絵が似てしまいます。

タナカくん 好きな作家に絵が似てしまいます。 センセイ 世の中の漫画やイラストを見ていると、「ああ、この人はきっとあの作家が好きなんだろうな」とか、「これは〇〇っぽい絵だな」と、作風のルーツを感じるこ …

モチーフの色や模様と、陰影が一緒になると、よく分からなくなります。

サトウさん モチーフの色や模様と、陰影が一緒になると、よく分からなくなります。 センセイ りんごのように、表面に複雑な色や模様があるモチーフのデッサンでは、「どこまでが模様で、どこからが陰影なのか」が …

打ち合わせで人前で絵を描くときに、下手なのがバレないか冷や汗をかきます^^;

タナカくん 打ち合わせで人前で絵を描くときに、下手なのがバレないか冷や汗をかきます^^; センセイ プロのイラストレーターや漫画家さんの中にも、実は人前で絵を描くのが苦手で、いつも一人で七転八倒しなが …

進学するなら、専門学校と美術大学、どちらが良いでしょうか?

スズキくん 進学するなら、専門学校と美術大学、どちらが良いでしょうか? センセイ 進路を考える際によく言われるのが、「専門学校は即戦力、美術大学は基礎力と応用力を学ぶ場所」という違いです。実際、入試が …

立方体などがうまく描けないのですが…

スズキくん 立方体などがうまく描けないのですが・・ センセイ デッサンで正確な形を取るための基本的なテクニックとして、鉛筆などを「はかり棒」のように使い、モチーフの角度を測って描く方法があります。まず …

error: