デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 知識編

構図が単調になってしまいます。

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

構図が単調になってしまいます…

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

静物デッサンなど、動かないモチーフを描く場合でも、構図の中に「動き(ムーブマン)」や「流れ」を意識することが大切です。
例えば、左右対称にモチーフを配置するよりも、右手前に大きなものを、左奥に小さなものを置く、といったアンバランスな配置にする方が、画面に奥行きとダイナミックな流れが生まれます。

いつも同じ高さから座って描いている方は、一度イスの高さを変えたり、立って描いたりしてみてください。
特に立って描くと、モチーフ同士の位置関係がより客観的に把握できるようになります。
あるいは、モチーフ台に近い低い目線から描けば、大きなモチーフを見上げるような迫力のある構図になります。
色々な目線の高さを試して、画面に動きが出るように工夫してみましょう。

構図を考える際は、モチーフそのものの配置だけでなく、それらが作り出す「影」にも注目してみてください。
モチーフとモチーフの間からこぼれる光や、互いに落とし合う影を描くことで、モノ以外の「空間」そのものを表現することができるのです。

私たちはつい、デッサンとは「モチーフを描くこと」だと思いがちです。
しかし、実際にはモチーフ以外の空間や、その場の空気感までも描くことができます。
構図を決めるためのクロッキーをするときも、ただモチーフの形を追うだけでなく、「この影の形は面白いな」「この光を描いたら綺麗だろうな」といった、モノ以外の見どころを探してみてください。
そうすれば、たとえシンプルなモチーフの配置でも、より主張のある、迫力あるデッサンに仕上げることができるでしょう。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 知識編
-,

関連記事

色をモノクロにするのが難しいのですが。

サトウさん 色をモノクロにするのが難しいのですが。 センセイ カラーで見えている現実の風景を、鉛筆や木炭を使って、あえて白黒のモノクロ世界に置き換える。デッサンとは、そういう作業ですから、なかなかうま …

鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか?

スズキくん 鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか? センセイ デッサンでは、鉛筆を寝かせて広い面を塗ることがよくあります。そのため、鉛筆の先端を削る際、芯の周りの木の部分を短く削りすぎると、その木材 …

人一倍作業が遅く、いつも締め切りに間に合いません…

ヤマダさん 人一倍作業が遅く、いつも締め切りに間に合いません… センセイ デッサンにも、「完成」という名の締め切りがあります。練習であるデッサンで時間管理ができない方は、実際の仕事でも、締め切りを守れ …

人物のキャラクターを自分で考えて描くのが難しいです…

サトウさん 人物のキャラクターを自分で考えて描くのが難しいです… センセイ 「頭の中には描きたいものがあるのに、うまく描けない」この悩みは、二つのケースに分けられます。一つは、描くための「技術が足りな …

モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか?

サトウさん モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか? センセイ 白や黒も、広い意味では色の一種です。そのため、鉛筆デッサンの世界では、白黒の濃淡について「色」という言葉を使うことが …

error: