デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

一筆書きのように、さらっと絵を描きたいがどうすればよいか?

デッサンQ&A吹き出し用画像女性2の2
タカハシさん

一筆書きのように、さらっと絵を描きたいがどうすればよいですか?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

ファッション画やちょっとしたカットなど、少ない線で描かれたイラストは、一見簡単なようで、実際に描いてみるとなかなかうまくいかないものです。こういうイラストを描く人は、クロッキーなどを通じて対象の特徴を深く理解し、そこから必要な線だけを抽出して描いています。たった数本の線の背後には、そうした数多くの習練が隠されているのです。

上達への王道としては、描きたい対象のクロッキーを数多くこなし、その中から自分の中で線を選び取り、洗練させていくのが良いでしょう。練習の初期段階ではできるだけ実物を見て描くことをお勧めしますが、数をこなす段階になれば、写真などを利用しても構いません。そうすることで、その人だけの線が生まれてきます。安易に似たような絵を真似するのではなく、あくまで自分で線を選び取ることが大切です。

しかしながら、このような質問をされる方の多くは、これまで絵を描いた経験がなく、「今さら面倒なクロッキーの勉強はしたくない」と考えているのが実情でしょう。もし、表面的なそれらしさだけでも良い、ということであれば、一つの方法があります。それは、筆ペンやつけペン(Gペンを推奨)といった、「消すことができず、線の強弱がつけやすい画材」を使うことです。

その画材を使って、描きたいものをとにかく何度も何度も描いてみてください。繰り返すうちに、最初はたくさんあった線が次第にまとまっていき、やがて少ない線で表現できる瞬間が訪れます。20枚ほども描けば、その中にそこそこの一枚が見つかるかもしれません。ただし、これは偶然に頼る方法なので、地道なクロッキーで自分の線を見つけた人の持つ「安定感」には及びません。それでも、「それっぽいもの」を描くことはできると思います。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-, , , ,

関連記事

描きあがった絵が、散漫な印象になります。

サトウさん 描きあがった絵が、散漫な印象になります… センセイ 自分の絵を見返したとき、モチーフ同士がバラバラに見えたり、画面全体になんとなくまとまりがなかったり、と感じることがあります。その原因の一 …

解剖の本(骨や筋肉が載っているもの)は必要でしょうか?

タナカくん 解剖の本(骨や筋肉が載っているもの)は必要でしょうか? センセイ 全身骨格と頭蓋骨の、正面と側面の図は、手元に一つは用意しておきましょう。人物をデッサンする上で、骨格の理解は必須と言えます …

良い構図ってどういうものですか?

タナカくん 良い構図ってどういうものですか? センセイ 構図の基本3つのポイント 1. まずは中央に配置する   構図に慣れないうちは、まず描きたいモチーフを画面の中央に配置することから始めましょう。 …

質感がうまく描けません。

スズキくん 質感がうまく描けないのですが・・ つぼねこ 質感を描き分けるための、ちょっと技術的な話をするとやな。いろんな濃さの鉛筆(HとかBとかな)を使い分けるんはもちろん、同じ鉛筆でも、芯をよーく尖 …

偉大な画家といわれている人の素描を観ると、ヘタに感じるのですが…

スズキくん 偉大な画家といわれている人の素描を観ると、ヘタに感じるのですが… センセイ これは、意外と多くの方が疑問に思うことかもしれません。 ここで、ゴッホの話をしましょう。彼が本格的に絵を学び始め …

error: