デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

迫力のある絵が描きたいのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像男性1の2
タナカくん

迫力のある絵が描きたいのですが・・

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

弱いタッチで薄く描かれた絵に、迫力を出すのは難しいものです。しかしその一方で、力強く濃く塗り込んだはずなのに、なぜかあまり迫力が感じられない…というケースもあります。

そういった場合、原因として主に三つの可能性が考えられます。

一つ目は、絵に「立体感」が欠けていること。
二つ目は、力強さが「雑さ」になってしまっていること。
そして三つ目は、全体の「色調が単調」であることです。

まず「立体感」を出すためには、遠近感や明暗のコントラスト(強弱)が効果的に使えているか、もう一度見直してみましょう。また、あなたの力強いタッチは、見る人に生命感を与える「勢い」になっていますか?それとも、ただ整理されていない「煩雑」な印象を与えてしまっているでしょうか?勢いと雑多さは紙一重です。

迫力とは、単に濃く描いたり、力強く線を引いたりすることだけで生まれるものではありません。立体感、タッチの質、色調のバランス。これら全てをコントロールし、画面全体を一つの舞台として「演出」する意識を持つことが、見る人の心を動かす迫力につながるのです。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-,

関連記事

パースとは何ですか?

スズキくん パースとは何ですか? センセイ パースペクティブ(perspective)のを略した言葉で、「遠近法」を意味します。空間の奥行きや、モノの立体感を平面の絵で表現するための技法やルールのこと …

講師成冨の動画配信「デッサン配信 4日目」

関連投稿: 鉛筆は長く削ったほうがよいのでしょうか? 知識編一覧【デッサン質問箱】 鉛筆のタッチを強く出すのと出さないのは、どちらがよいのですか? 応用技法編 一覧【デッサン質問箱】   靴が上手く描 …

モチーフのどこを描けば良いのか分からなくなります。

ヤマダさん モチーフのどこを描けば良いのか分からなくなります・・・・・ センセイ 石膏像のように、つるりとしていて特徴の少ないモチーフを前にすると、「一体どこから手をつければいいんだ…」と途方に暮れて …

仕上がりを見るといつも薄い印象を受けます。

スズキくん 仕上がりを見るといつも薄い印象を受けます・・ センセイ 「なんだか自分の絵は密度がなくて、迫力に欠けるな」と感じる場合、その原因は「色の薄さ」「描き込み不足」「タッチの粗さ」のいずれかにあ …

モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか?

サトウさん モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか? センセイ 白や黒も、広い意味では色の一種です。そのため、鉛筆デッサンの世界では、白黒の濃淡について「色」という言葉を使うことが …

error: