デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

仕事でラフスケッチを見せる機会があります。注意点は?

デッサンQ&A吹き出し用画像男性1の2
タナカくん

仕事でラフスケッチを見せる機会があります。注意点は?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

キャラクターデザインや、冊子、Web、ロゴのデザインなどでは、本制作に入る前に、ラフスケッチでクライアントの確認を取ることがよくあります。このとき注意したいのが、たとえラフの提出であっても、「ラフ過ぎる」ものは避けるべきだということです。ラフの段階でOKが出たのに、完成品を見て「イメージと違う」と言われてしまっては、わざわざラフを見せる意味がなくなってしまいます。

クライアントは、描き手の頭の中にある完成イメージを、都合よく想像してはくれません。ラフスケッチでは、「完成形がある程度想像できること」と、「複数の解釈ができてしまうような、曖昧過ぎる表現は避けること」を意識する必要があります。もし情報が不足していると感じるなら、メモ程度の文章を書き加えたり、参考資料を添付したりして、認識のズレが起きないように補いましょう。

特に、絵コンテやカンプで人物を描く場合は注意が必要です。顔の目・鼻・口と、手(指先まで)は、できるだけ描くようにしてください。最低でも顔に十字線を入れて向きの目安を示すべきですが、これらの要素を省いてしまうと、人物がどちらを向き、何をしようとしているのかが伝わらず、絵コンテとしての意味をなさなくなります。

ラフスケッチは、頭の中のイメージを具現化するための、最初のステップです。クライアントにとっては、企画や思考が初めて目に見える形になる、大切な瞬間でもあります。単なる下書きと捉えるのではなく、クライアントと自分たちの認識を合わせるための、重要な第一歩だと考えて取り組むことが大切です。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-, , , , ,

関連記事

 モチーフ台の色が濃い場合、台を塗るべきですか?

スズキくん モチーフ台の色が濃い場合、台を塗るべきですか? センセイ デッサンをする際、モチーフが置かれている台の色が濃かったり、濃い色の布が敷かれていたりすると、モチーフの輪郭を描くために周りの色を …

トライトーン・アートラボ_デッサン教室 ツボバナー角型

知識編一覧【デッサン質問箱】

🟥🟥🟥 知識編 🟥🟥🟥 ・デッサン力ってなんですか? ・デッサンとクロッキーの違いって? ・本当の初心者です。まず最初に描いてみると良いものは? ・デッサン、何から手を付ければ… ・デッサンで何をした …

『測り棒』とはどんなものですか?どう使うのですか?

スズキくん 『測り棒』とはどんなものですか?どう使うのですか? センセイ 「測り棒」は、デッサンには欠かせないアイテムの一つです。しかし、不思議なことに、画材店で「測り棒をください」と言っても、基本的 …

絵を描かない職種なのに、デッサン力必須と書いてあったのですが?

ヤマダさん 絵を描かない職種なのに、デッサン力必須と書いてあったのですが? センセイ SEやソフトウェア開発、ゲーム開発といった、直接的には絵を描かない職種でも、応募時にデッサンの提出を求める企業があ …

モチーフの色や模様と、陰影が一緒になると、よく分からなくなります。

サトウさん モチーフの色や模様と、陰影が一緒になると、よく分からなくなります。 センセイ りんごのように、表面に複雑な色や模様があるモチーフのデッサンでは、「どこまでが模様で、どこからが陰影なのか」が …

error: