デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

歳を取った人物の顔がうまく描けません。

デッサンQ&A吹き出し用画像男性3
ヤマダさん

歳を取った人物の顔がうまく描けないのですが・・

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

高齢の顔を描くとき、ただ「しわ」をたくさん描き加えるだけで年齢を表現しようとしていませんか?よりリアルな加齢の表現は、人間の「頭蓋骨」を理解することから始まります。もし機会があれば、美術室にあるような頭蓋骨の模型を一度じっくりデッサンしてみてください。それが難しくても、写真でいいので、その凹凸を意識しながら丁寧に観察することが大切です。

人の顔の土台である頭蓋骨の形は、年を取っても変わりません。加齢による変化とは、その土台の上に乗っている筋肉や皮膚が、重力によって少しずつ下へと垂れ下がってくる現象なのです。その結果、若い頃は肉で隠れていた頬骨などの骨格が、徐々に表面に浮き出てくるように見えます。

具体的な変化を見てみましょう。例えば、頬骨の位置そのものは変わりませんが、そのすぐ下に肉がたるんできます。それに伴い、口の位置は若い頃よりやや下がり、横幅も少し狭まったように見えます。目も全体的に少し位置が下がり、上まぶたが被さってくることで、ひと回り小さくなったような印象になるのです。

このように、「変わらない頭蓋骨」を基準にして、その表面の肉が「重力で下に引っ張られている」とイメージしながら描くと、高齢の顔の構造が理解しやすくなります。そして、しわは単なる線ではなく、この皮膚のたるみの「結果」として生まれるものだと考えれば、より自然で説得力のある描写ができるようになるはずです。

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