デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

重量感を感じさせるには?

デッサンQ&A吹き出し用画像女性2の2
タカハシさん

重量感を感じさせるには?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

デッサンも中上級になってくると、形や質感、陰影だけでなく、雰囲気、重量感、意図、世界観などを表現する段階に入ります。

特に、重いものを重そうに、軽いものを軽そうに描くことは大事です。
存在感を描くという感覚です。

重量感を表現するには、とにかくたくさん描きこむ!ということに尽きるのですが、言葉で説明できる部分もありますので、まとめておきたいと思います。

まず、重さや存在感を描く上で、2つのポイントがあります。

1つは、表面のデティールや質感で「重さ」を表現しやすいものを見つけること。
例えば、白っぽい球体があったとして、発泡スチロールと大理石ではまったく重量感が違いますね。

発泡スチロールなら、絵を見る人が「これは発泡スチロールだ」と分かるような
表面の情報を少し描き加えておくと、軽さを表現する手助けになります。
石であれば、少し欠けている部分などを見つけ出し、描き加えます。
また、台に接地している部分を観察して、軽く乗っているのか、しっかり乗っているのか描くようにします。

もう一つは、タッチや描き込みで重さを表現することです。

これは、目に見えるものではなく、絵としてのテクニックともいえるでしょう。
白い球体を描く時に、描かずに画用紙の白で白さを表現するのと、薄い鉛筆でしっかり塗りながら白を表現するのでは、存在感が違います。

大きくて重い塊のようなものを描く時にも、優しく塗らずに、がりがりとタッチを立てて描くことで、存在を出すことができます。
逆に軽いものは、軽いタッチで描く…など、感覚と手を連動させて描いてみるのも良いでしょう。

いずれにせよ、存在感は「描くこと」によって表現されます。
手数が足りないうちは、存在感を出すところまで行きにくいですから、初心者の方は、まずたくさん情報を描き込むことに専念してください。
おのずと存在感が出てくるようになると思います。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-

関連記事

これから絵やイラストを描いてみたいのですが、まずデッサンをすべきですか?

スズキくん これから絵やイラストを描いてみたいのですが、まずデッサンをすべきですか? センセイ いえ、まず好きな絵を描くほうが先だと思います。 これは個人的な意見ですが、デッサンは単なる「技術」であり …

消し具の使い方を教えてください。

スズキくん 消し具の使い方を教えてください。 センセイ デッサンにおいては、消し具は主に2種類使います。鉛筆デッサンの場合、ひとつはみなさんが良く使っているプラスチックの長方形の消しゴム(プラ消し)、 …

打ち合わせで人前で絵を描くときに、下手なのがバレないか冷や汗をかきます^^;

タナカくん 打ち合わせで人前で絵を描くときに、下手なのがバレないか冷や汗をかきます^^; センセイ イラストレーターさんや漫画家さんでも、人前で描くのが苦手で、隠れてひとりで七転八倒して描くという方も …

デッサンは、使える技術ですか?

スズキくん デッサンは、使える技術ですか? センセイ この時代、鉛筆は消えてシャープペンシルになり、PCはタブレットになり、マウスになり…と、鉛筆と消し具で絵を描く機会はほとんどなくなりました。 そう …

人物を描きたいのですが、静物も描かなくてはだめですか?

タナカくん 人物を描きたいのですが、静物も描かなくてはだめですか? つぼねこ 先に言っておくと、わしゃドライフードのカリカリより、ウェットフードのほうが好きや~ まずやな、絵を描きたいのか、訓練をした …

error: