デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

木炭で描くときに、細かい質感が表現しにくいのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像男性1の2
タナカくん

木炭で描くときに、細かい質感が表現しにくいのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

木炭はデッサンで使われる代表的な画材で、素早く直感的な描画ができるという特徴があります。
濃くしたいと思えば一瞬で濃くでき、逆に明るくしたいと思えば、指やガーゼでさっと炭を取り除くこともできます。
まるで手で直接画面に触れながら形作っていくような、その感覚が面白い画材です。

その反面、木炭は細かい部分の描き込みには、あまり向いていない画材とも言えます。
触れるとすぐに炭が取れてしまうため、デッサンの早い段階で細部を描き込んでも、仕上げる頃には擦れてぼんやりしてしまうのです。
ですから、木炭デッサンでは、まず画面全体を大きく捉えて描き進め、細部の描写は最後に行うのが基本です。

もちろん、木炭を鉛筆のように鋭く削って細かく描くことも可能ですが、その部分だけが妙に生々しい黒さになり、周りから浮いてしまうことがあるので注意が必要です。
対策としては、細かい部分だけ鉛筆で仕上げるという方法があります。
あるいは、木炭を鉛筆状に加工したチャコールペンシルや、8Bなどの非常に柔らかい鉛筆を使っても良いでしょう。

また、普段使われる柔らかいヤナギの木炭だけでなく、少し硬めで淡い調子の出るホウノキやミズキの木炭を試してみるのも面白いでしょう。
細かい部分をぼかすために、擦筆(さっぴつ)や綿棒といった道具を使う人もいます。
(ちなみに私は、小指の腹を使って細かく描いていました)

木炭デッサンは、最初に述べた通り「大きく、大胆に」描くのが何よりの魅力です。
画面の隅々まで均一に細かく描き込むよりは、「ここぞ!」という見せ場を一つ決め、最後にその部分だけを細密に描写して、絵全体を引き締める。
そうした描き方の方が、木炭という画材の特性をより活かせるのではないかと思います。

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デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


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