デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 応用技法編

鉛筆だけで様々な色味を出せるようになりたいのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像女性2の2
タカハシさん

鉛筆だけで様々な色味を出せるようになりたいのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

これからご紹介する方法は、鉛筆の表現技法を探るちょっとした研究ですが、とても面白い作業です。
より楽しく、表現豊かな絵を描きたい方は、ぜひ試してみてください。

まず、硬い鉛筆(H系)と柔らかい鉛筆(B系)を用意し、それぞれを使って「同じ濃さ」になるように紙の上の面を塗ってみます。
線の密度や筆圧を工夫して、目を細めて見たときに同じグレーに見えるように調整してみてください。
完成した二つの面は、おそらく微妙に色合い(色味)が違うはずです。

次に、同じ一本の鉛筆を使い、二つのパターンを試します。
一つは、最初から筆圧を強くかけて一気に濃く塗りつぶす方法。
もう一つは、筆圧をかけずに、何度も軽く塗り重ねて同じ濃さにしていく方法です。
こちらも、きっと仕上がりの色味は異なっていることでしょう。

その他にも、例えば柔らかい鉛筆で薄く塗った上から硬い鉛筆で塗り重ねるなど、鉛筆の組み合わせや、筆圧、密度、重ねる順番などを変えながら、様々なパターンを試作してみてください。

そして大切なのは、そうして出来上がったそれぞれのパターンの「雰囲気」を、よく観察して覚えておくことです。
柔らかい感じ、硬い感じ、シャープな印象、ぼんやりした印象など、それぞれに違いがあるはずです。

実際のモチーフを描くときに、表現したい雰囲気に合わせてこれらのタッチを使い分けることができれば、あなたのデッサンは、単なる白黒ではない、色彩さえ感じさせるような豊かなものになるでしょう。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 応用技法編
-

関連記事

静物画で、ラベル(ワイン瓶などの)の描き方はどうすればよいですか。

サトウさん 静物画で、ラベル(ワイン瓶などの)の描き方はどうすればよいですか? センセイ 瓶のラベルや箱のロゴといった模様は、デッサンにおいて悩ましい部分です。全く描かないと絵に「色気」が出ませんし、 …

仕上がりを見るといつも薄い印象を受けます。

スズキくん 仕上がりを見るといつも薄い印象を受けます・・ センセイ 「なんだか自分の絵は密度がなくて、迫力に欠けるな」と感じる場合、その原因は「色の薄さ」「描き込み不足」「タッチの粗さ」のいずれかにあ …

仕事でラフスケッチを見せる機会があります。注意点は?

タナカくん 仕事でラフスケッチを見せる機会があります。注意点は? センセイ キャラクターデザインや、冊子、Web、ロゴのデザインなどでは、本制作に入る前に、ラフスケッチでクライアントの確認を取ることが …

トライトーン・アートラボ_デッサン教室 ツボバナー角型

基礎技法編 一覧【デッサン質問箱】

🟥🟥🟥 基礎技法編 🟥🟥🟥 ・どんな段階を踏んで、デッサン力が付くのでしょうか。 ・どこから描き始めればいいの? ・モチーフのどこを描けば良いのか分からなくなります。 ・石膏で描きやすい場所を教えてく …

輪郭線が濃くなってしまうのですが…

タナカくん 輪郭線が濃くなってしまうのですが… センセイ モノの形を捉えるとき、私たちはつい「輪郭線」を頼りにしがちです。しかし、現実の世界にはっきりとした線など存在しないのに、なぜか私たちの目には線 …

error: