その他 デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 知識編

モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか?

デッサンQ&A吹き出し用画像女性1
サトウさん

モノクロなのに、色味や彩度という言い方をするのはなぜですか?

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

白や黒も、広い意味では色の一種です。
そのため、鉛筆デッサンの世界では、白黒の濃淡について「色」という言葉を使うことがあります。
ここでは、デッサンにおける「色味」と「彩度」という言葉について説明します。

まず「色味」とは、たとえ同じ濃さのグレーであっても、その「色の雰囲気」が違うことを指します。
例えば、HBだけで塗った面、4Bで軽く塗った面、Hの上に3Bを重ねた面では、それぞれ濃さが同じでも、微妙に色味が異なります。

特に、違う硬さの鉛筆を重ねて作った色味には、独特の味わい深さが生まれます。
また、均一な「塗り」と、線を重ねる「ハッチング」を組み合わせても、それぞれ単体とは違う色味になるのが分かるでしょう。

次に、モノクロデッサンにおける「彩度」についてです。
これは、赤や青といった色素の鮮やかさのことではありません。
デッサンにおける彩度とは、主に「階調の豊かさ」や「コントラストの強さ」から生まれる、絵の印象を指す言葉です。

例えば、似たような中間調のグレーばかりで描かれたデッサンに比べ、紙の白さから鉛筆の最も黒い色まで、幅広い色調を効果的に使って描かれたデッサンは、白黒なのに、とても「鮮やか」に見えます。
こうした絵を指して、「彩度が高い」と評価することがあります。

自分のデッサンだけでなく、他の人の優れた作品を鑑賞することも、良い勉強になります。
白黒の絵の中にも、いかに多様な「色」が存在するかに気づけるでしょう。

豊かな表現を目指して、デッサンにおける色調の幅を増やしたり、様々な色味を使い分けたりできるよう、ぜひ画材とじっくり向き合ってみてください。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-その他, デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 知識編
-,

関連記事

良い構図ってどういうものですか?

タナカくん 良い構図ってどういうものですか? センセイ 構図の基本3つのポイント 1. まずは中央に配置する   構図に慣れないうちは、まず描きたいモチーフを画面の中央に配置することから始めましょう。 …

構図の勉強をするのに、絵や写真を見ることは役に立ちますか?

サトウさん 構図の勉強をするのに、絵や写真を見ることは役に立ちますか? センセイ 構図には、基本となるいくつかの「定型」が存在します。まずはその基本を押さえ、それから型を崩したり、大胆に配置したりと応 …

どんな画材で描くと良いですか?

サトウさん どんな画材で描くと良いですか? センセイ   鉛筆、木炭、ペン、コンテなど、基本的には何を使っても構いません。 クロッキーに使う画材は、ペンやボールペンのように「消せない」画材をあえて使っ …

球体モチーフ(リンゴなど)が、地面にめり込んでいるようになってしまう。

スズキくん 球体モチーフ(リンゴなど)が、地面にめり込んでいるようになってしまうんです・・ センセイ 球体のような丸いものが地面に接するとき、その接地面は、本来ごく小さな「点」に近いはずです。もし、そ …

メカやキャラクターデザインのコツを教えてください。

ヤマダさん メカやキャラクターデザインのコツを教えてください。 センセイ 今回は、デッサン・クロッキーという視点からお答えさせていただきます。 私がよく生徒さんにする話があります。まず、「バイクを描い …

error: