デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 基礎技法編 応用技法編 知識編

人体の俯瞰、あおりが描けないのですが。

デッサンQ&A吹き出し用画像女性1
サトウさん

人体の俯瞰、あおりが描けないのですが…

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

見上げた顔やうつむいた顔など、少し角度がつくだけで、人の顔を描くのはとても難しくなりますよね。
ましてや、体全体のあおり(ローアングル)や俯瞰(ハイアングル)となると、どこから手をつけていいか分からなくなってしまう、という方も多いと思います。

人体の描き方に関する本には、頭を立方体として捉えたり、球体に十字線を入れたり、といった理論的な方法が多く紹介されています。
もちろんそれらも有効ですが、私はまず、もっと単純に、様々な角度での「目・鼻・口・耳の基本的な位置関係」を、体で覚えることをお勧めします。

モデルや鏡、あるいは写真などを使って、様々な角度の顔を、一度トレース(なぞり描き)または模写してみてください。
実際にやってみると、「こんな位置に目が来るのか」「耳と口の位置関係は、思っていたのと全然違う」など、多くの発見があるはずです。

トレースで位置関係を確かめたら、今度はそれを見ずに、何度か簡易的な絵で再現してみましょう。
目や口は、はじめは点や線で構いません。
この反復練習で、角度によるパーツの配置をしっかりと頭と体に覚え込ませてください。
これだけでも、驚くほど描けるようになるはずです。

一見複雑に見える角度のついた顔も、まずは難しく理論で分析するより、このように実践を通して頭と体で覚えてしまう方が、結果的に早いことが多いです。

もし、角度のついた顔が描けずに詰まってしまったときは、「まずトレースしてみる → 次にそれを見ずに簡単な絵で再現する → 最後に自分のタッチに置き換えてみる」という手順で、乗り切ってみてください。

トライトーン・アートラボ_デッサン教室デッサンQ&Aバナー

デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


-デッサンの壺- -デッサン あれやこれや--, デッサン質問箱, 基礎技法編, 応用技法編, 知識編
-,

関連記事

絵が上手い人は、描けない人に比べて、何が「見えて」いるのでしょうか?

スズキくん 絵が上手い人は、描けない人に比べて、何が「見えて」いるのでしょうか? センセイ 「自分が見えているものは、絵が上手い人が見ているものとは違うのではないか?」そんな風に、自分の目を疑ってしま …

デッサンをやると無個性になりませんか?

サトウさん つぼねこさん、デッサンをやると無個性になっちゃったりしませんか? つぼねこ 例えば家を立てる時には、まず整地して基礎を作ってと順番に下から積み重ねていくやろ、土台がないところに家を建てると …

ガラス質の物を描くときのコツを教えてください。

ヤマダさん ガラス質の物を描くときのコツを教えてください。 センセイ 透明でありながら、周りの景色を映し込む「ガラス」は、デッサンの中でも特に難しいモチーフの一つですよね。これを描くには、結局のところ …

反射光について教えてください。

ヤマダさん 反射光について教えてください。 センセイ 光というものは、ボールのように様々な場所にぶつかって跳ね返る性質を持っています。そのため、一方向からしか光が当たっていないように見える場所でも、実 …

目の前にモデルがいないと、うまく人物を描くことができないのですが。

サトウさん 目の前にモデルがいないと、うまく人物を描くことができないのですが… センセイ これは、手癖だけで描いている段階や、モデルを見ているようで見ていない段階よりは、先に進んでいる証拠です。そこか …

error: