デッサンの壺- -デッサン あれやこれや-- デッサン質問箱 基礎技法編

鉛筆で塗るとき、ムラが出てしまいます。

デッサンQ&A吹き出し用画像男子高校生
スズキくん

鉛筆で塗るとき、ムラが出てしまいます。

デッサンQ&A吹き出し用画像師匠
センセイ

鉛筆は、本来「線」を描くための画材です。
そのため、デッサンで広い面積を均一に塗ろうとすると、タッチが目立ってしまい、意図しない「ムラ」が出ることがあります。

このムラを避けようとして、物体の形に沿ってタッチを入れようとする方もいますが、方向によってはかえって塗りにくくなることもあります。
そもそも、多少のムラは、絵の「味」にもなります。
あまりに綺麗に塗りすぎると、全てがプラスチックのおもちゃのように見えてしまうこともありますから、過度に神経質になる必要はありません。

それでも、意図した通りに均一な面を塗りたい、という場合の二つの方法をご紹介します。

一つ目の、より簡単な方法は、鉛筆を寝かせて塗ることです。
芯を少し長めに削り出し、力を抜いて、芯の腹の部分で優しく紙を撫でるように塗ります。
この方法は、イーゼルに立てた状態ではやりにくいため、カルトン(画板)を膝の上に置くなど、やりやすい体勢を見つけてください。

二つ目の方法は、「線を揃えて塗る」ことです。
こちらは少し練習が必要ですが、マスターすればデッサンの仕上がりが格段に美しくなります。

まず、広い範囲を塗る場合です。
鉛筆の後ろの方を軽く持ち、肘を支点に腕を大きく左右に振ります。そのリズムを保ったまま、腕全体をゆっくりと手前に引いてきます。
線は大きなカーブを描きますが、比較的均一な面が作れるはずです。
コツは、手先ではなく、肩や体全体を使って、均一な力で腕を移動させることです。

次に、狭い範囲を強めに塗る場合です。
今度は、字を書く時のように鉛筆を持ち、手首を固定して、肘から腕を動かすようにして左右に線を揃えて塗ります。
そうすると、硬くしっかりとした面が作れます。

どちらの塗り方においても、手首の使い方がポイントになります。
広い範囲を塗るときは手首を柔らかく使って動きを吸収し、狭い範囲を塗るときは手首を固定する。
あるいは逆に肘を固定して手首を均一に動かす。
色々と試しながら、自分に合った方法を見つけてみてください。

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デッサンでよくある質問をまとめたコーナーです。独学派の方も、学校で勉強している方も、ぜひ参考にしてください。


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